『あんぱんまん』が教えてくれたこと―神話的考察

アニメ「それいけ!アンパンマン」の原作、やなせたかしさんの絵本『あんぱんまん』の神話的考察。

(5) 「すこし げんきが ないようです」

ゆうぐれの そらを 

あんぱんまんが とんでいます。

でも すこし げんきが ないようです

 

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 やなせたかし『あんぱんまん』フレーベル館 1976年

 

 旅人の前では終始笑顔だったあんぱんまん。

しかし、この場面では、あんぱんまんに元気がありません。

 

それは、そうです。

だって顔が半分になっているんですから。

 

あんぱんまんは、

顔があんぱんで、空も飛んでみせますが、

それでも生身の人間なのです。

 

与えることには痛みが伴います。

それはあんぱんまんも例外ではありません。

自分が傷ついて、命を削って与えるからこそ、

相手を生かす力になるのです。

 

 与えることには痛みが伴う。