(7) 「ないているのは きみだったのか」
ないているのは きみだったのか、
もう だいじょうぶだ。
あんしんしなさい
だんだんあたりが暗くなってきて、
とうとう泣きだしてしまった子ども。
でも、その泣き声は、確かにあんぱんまんに届いていました。
泣くということは、子どもであるということ。
子どもであるとは、弱いということです。
泣くことは、自分が無力であることの表明です。
産まれたばかりの赤ちゃんは、本当に泣くことしかできません。
自分の生存を、完全に他人に依存しています。
それが成長し、自立するにつれ、泣くことが少なくなっていきます。
大人はあまり泣きません。
でも、大人だって本当は子どもなのです。
自分の力ではどうしようもないことが、ある。
何でも自分で解決できる、そんなのはたぶん嘘なのです。
自分の弱さをさらけだすのは、とても難しいことです。
しかし、そのとき、あんぱんまんはかならずやってきます。
子どもであるとは、弱いということですが、
自分の弱さをさらけだせる人は、本当は強いのです。
あんぱんまんも、弱いのです。
弱さをさらけだすことは、与える生き方を始める最初の一歩です。
自分の弱さをさらけだせる人は、強い。