『あんぱんまん』が教えてくれたこと―神話的考察

アニメ「それいけ!アンパンマン」の原作、やなせたかしさんの絵本『あんぱんまん』の神話的考察。

2014-08-11から1日間の記事一覧

(3) 「ちょっとだけじゃなくて たくさん たべました」

そして、 ちょっとだけじゃなくて たくさん たべました やなせたかし『あんぱんまん』フレーベル館 1976年 「ちょっとだけ」と言いながら、顔の半分までを食べてしまう旅人。 あんぱんまんは、そんなこと最初からわかっていたという風に、 笑顔で自分の頭を…

(2) 「そんな おそろしいことは できません」

「さあ、ぼくの かおを たべなさい」 たびびとは びっくりして 「そんな おそろしいことは できません」 と ことわりました やなせたかし『あんぱんまん』フレーベル館 1976年 絶望する旅人の前に現れた不思議な人間、あんぱんまん。 さらに驚くべき、彼の一…

(1) 「ひろい さばくの まんなかで」

ひろい さばくの まんなかで、 ひとりの たびびとが おなかが すいて、 いまにも しにそうに なっていました やなせたかし『あんぱんまん』フレーベル館 1976年 『あんぱんまん』―― この物語は、絶望からはじまります。 広い砂漠の真ん中で、たったひとり、…

(序) 「なんのために うまれて」

なんのために うまれて なにをして いきるのか こたえられないなんて そんなのは いやだ! (やなせたかし作詞『アンパンマンのマーチ』より) 国民的アニメ『それいけ!アンパンマン』の原作、 『あんぱんまん』を神話として読み解いてみよう、 というのが…